2000年  メディア論
学籍番号: 0311999168
名      前 :   渡   邉      満

KEYWORD :
          共感(Sympathy)

定義 :

ティッチェナー(Titchener,E.B.)
 対象を人間化し、自分自身をそれらの中に読み(reading)入れる、或いは感じ入れる過程

フロイト(Freud)
 感情移入(共感) → 「我々は生じている人の身体状態を考慮に入れ、自分自身をその中に置き、それを分自身のものと比較することで、それを理解しようと試みる」こと

アダムスミス(Adam Smith)
  どんな人間にも他者に対する同情やあわれみといった感情が生じる



解説(説明) :

共感という概念
 共感という言葉は、ヨーロッパにおいて古くから使われ、それは古代ギリシャ語のempatheiaに由来するものである。
 17世紀頃から哲学、倫理学、美学などで取り上げられてきた。そこでは「共感(empathy)」という語はまだ用いられておらず、主に、「同情(sympathy)」や「あわれみ(pity)」、「感情移入(Einfuhlung)」という語によって現代の共感に近い概念が扱われてきたようである。
  心理的な概念としては、19世紀末にドイツの心理学者リップス(Lipps,T.)が感情移入(Einfuhlung)という言葉で述べたのが始まりとされており、それをティッチェナー(Titchener,E.B.)が英語のEmpathyという言葉に翻訳して広めた。

共感能力に関与する条件

・人間的なものへの関心
  まず何をおいても、相手に対する関心がどれほど強いかが、共感的でありえるかどうかの分岐点になる。
・豊かな感受性
  共感は、相手の感情に反応することであるから、感受性の豊かな人ほど、共感の幅が広いと言える。
 

 共感がコミュニケートされる必要が無い場合もあるとし、それは極度に強迫観念的、或いは攻撃的な相談者であるために共感することが困難であり、また共感することが有害な結果をもたらす場合があること、さらには、他者によって共感され、知られることがある種の進入として感じられ不快や苦痛として経験されることもある

 認知能力の発達に伴って他者の感情を十分に理解した上で共感する能力をえていく。しかし、いつもこの能力を使用している訳ではなく状況によっては感情の表出を抑制し、それによって共感反応が表出されないことも起きてくる。このような傾向が年齢と共に増大すること、個人差があることと、更には文化差があることを考慮しておく必要がある。

 共感を相手の感情と共有した場合、共感に似た現象が動物にも見られることから、共感は進化論的な基礎を持ち、人間においても非常に早期から見られるこのような共感は年齢が進むにつれてその強さという点では減退していくものなのかもしれない。しかし、年齢に伴う感情認知能力の発達は、相手の感情のきめ細かい理解にたった共感を可能にするのかもしれない。



参考文献 :
 @共感的看護−いま、ここでの出会いと気づき 発行 1993.9.15 第1版第1刷  1996.11.15 第1版第3刷  編者 長谷川 浩 石垣靖子 川野雅資  発行者株式会社 医学書院 金原 優

  A共感の心理学−そのメカニズムと発達− 発行 1992.6.1 初版発行 1996.9.1 3版発行  著者 澤田 瑞也  発行者 世界思想社 高島国男


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