産業革命
担当 : 0311999025 上田 善久
定義

動力機械の発明と応用が生産技術に画期的な変革をもたらしたため、産業の技術的基礎が一変し、小さな手工業的な作業場に代って、機械設備による大工場が成立し、これとともに社会構造のあらゆる面に生ずる変革と発展の総過程のこと。

説明

生産活動の機械化・動力化、工場の普及、その結果としての工業都市の成立、産業資本家層と工場労働者の階層の勃興など、農村社会から資本主義的工業社会へ急激に大転換を遂げる劇的な変化であったことから、
”革命”の名が与えられた。

イギリス

世界でもっとも早くに産業革命が起ったのはイギリスである。綿業における重要な発明(下図参照)の時期などを手がかりに、漠然と1760年代から19世紀前半くらいとされていたが、始期については人口増加や1人当たり所得の成長の起点との関係で、1740年代説や80年代説が出されるなど始期と終期についても見解は必ずしも一定していないのは産業革命の概念そのものが多様だからだと言える。産業革命は経済革命であり、また社会革命でもあった。資本家層と労働者層の格差は広がり、労働者層では婦人や6、7歳という幼児までも苛酷な条件で働かせられた。19時間にもおよぶ長時間労働を強いられても労働者層の生活はますます苦しくなる一方だった。低賃金の上、水は大変高価なものとされていた為に、労働環境・家庭環境は極端に悪いものであった。1833年に工場法が制定され、婦人や児童の労働は少し改善されることとなる。
 
 

  年          人名                            事項 
1712  ニュー・コメン(英)         蒸気機関の改良 
1733  ジョン・ケイ(英)            手織機の「飛び梭」
1764  ハーグリーブス(英)       ジェニー紡績機 
1765  ワット(英)                     蒸気機関の改良 
1768  アークライト(英)            水力紡績機械を発明 
1771  アークライト(英)            最初の水力紡績工場 
1785  カートライト(英)             力織機を発明(特許) 
1807  フルトン(米)                 蒸気船を発明(実験成功) 
1814  スチブンソン(英)           蒸気機関車を発明(試運転)
1835  モールス(米)                有線電信機を発明 

その他の欧米諸国

世界に先駆けて産業革命に成功したイギリスが、自由貿易主義の原則を打ち出した。圧倒的な経済力の差が生じていたのでイギリスの優位は揺るぎないものであった。フランス・ドイツ・アメリカなどではイギリス商品の流入を防ぎつつも、先進的なイギリスの技術や制度を吸収して自国の工業化すなわち産業革命を進めていった。これらの国での開始時期は、イギリスで産業革命の完了を意味していた鉄道網の完成が示している。

日本

イギリスの産業革命から送れることおよそ100年後、日清戦争前後に紡績や製糸などの軽工業を中心とした第一次産業革命が起り、次いで日露戦争を挟む年代に製鉄・造船・機械などの重工業を中心とした第二次産業革命が起った。富岡製糸場などの幹部はフランスなど海外から来た技師達であった。この頃、徴兵令が出されており工場での働き手は女であった。幹部達に比べ明らかに低賃金の上に、強制労働により健康を損なうものが多く、悲惨な状態だった。

そして

産業革命により生産性の向上は実現したが、自国だけではあまりにも市場が小さかった。そこで、産業革命が完了したと思われる頃から、海外での市場確保を始めていった。「市場」と言えば聞えが良いが、単なる植民地だ。植民地にした国からの原料、労働者を得てさらに工業生産を上げ、植民地を増やしていった。イギリスは早くから海外へ進出していたので、20世紀初頭には大帝国を築いていた。侵略目的の戦争がこのあと頻繁に行われる。

参考文献
・「広辞苑 第四版」 新村 出/編 岩波書店/発行所 1991年11月15日初版発行 1998年1月10日発行
・「世界大百科事典 9」下中邦彦/編集,発行者 平凡社/発行所 1965年11月20日初版発行 1972年発行
・「中学歴史年表と資料」平田嘉三/監修 教育書籍編集部/編集堤慎一/発行者
・「使いやすい資料・歴史年表」藤原政雄/発行者 明治図書編集部/編集明治図書出版社株式会社/発行所